「頭の良さ」に価値はない。AI時代、人間に残された「3+1」の仕事とは何か

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また、組織の合意形成や、関係者の納得感、文脈、空気、過去のしがらみまでを踏まえた意思決定は、AIにはできません。これは前述した「その人にしかない経験知」がAIにないためです。

だから決断は、人間の仕事であり続けるのです。

レビュー:成果物の質に責任をもつ

3つ目は、「レビュー」です。これは、成果物をただ確認するだけのチェック作業ではありません。目的の達成に対して、成果物が適切な品質になっているかを判断し、必要があればフィードバックを通じて品質を高める。そうした一連のプロセス全体を、ここでは「レビュー」と呼んでいます。

このレビューという行為は、AIに対しても人間に対しても同様に求められるものです。最初に目的を明らかにし、得るべき成果を定めたうえで、指示を出す。アウトプットを受け取り、「これは本当に目的達成に十分な内容か?」を確認する。足りなければ、軌道修正するためのフィードバックを行う。そうして、目的達成に必要な質の仕事に仕上げていきます。

ここで重要なのは、そのフィードバックの質が、人間の経験知に依存しているということです。たとえば、「あの役員はロジックよりも感情に響くかどうかを重視するから、この資料の構成は響かないだろうな」とか、「この言い回し、あの人の地雷ポイントに触れているかも」というような、空気を読む判断はAIにはできません。

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