「頭の良さ」に価値はない。AI時代、人間に残された「3+1」の仕事とは何か

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つまり、仕事とは顧客を定義し、顧客の求める価値を提供することなのです。したがって、仕事の「目的」とは、要するに「顧客へのどんな提供価値を生み出すことで、どんな結果を得るか」というゴール設定のことです。

具体的には、商売であれば「常連客のリピートが増えるような新商品を作って、売上を伸ばそう」であるとか、プログラマであれば「きれいで整ったコードを書いて、バグが無くメンテナンスも容易な低コスト運用システムを作ろう」などです。

逆に言えば、以下のようなケースは、本質的な仕事の目的とは呼びません。

・「ただコードを完成させる」こと
・「広告バナーをとにかく完成させる」こと
・「決められた回数、顧客を訪問する」こと

これらはすべて、本質的には手段の話であり、顧客への提供価値の視点がありません。AIに代替される中間プロセスとは、顧客価値に影響を与えないプロセスなのです。

よってAIが中間プロセスを代替する時代においては、顧客を定義し、目的を設定し、顧客へ価値を届けて成果を出すことこそが仕事になります

途中で生み出される生成物やタスクは、もはや仕事の本質ではなくなりつつあるのです。

AI時代に人間が担う「3+1の価値」

目的を定め、期待される成果を実現する。この一連の流れのなかで、人間が担うべき価値は次の4つに集約されると考えています。

①経験知:自らの経験や行動に基づいた、AIが知らない独自の知識・知見
②決断:目的と得るべき成果を決め、取るべき行動方針を決めること
③レビュー:目的に照らして、AIあるいは人が生み出した成果物を評価し、目的達成に適切な質を実現するためのフィードバックと承認を行うこと
④フィジカル:人間にしかできない身体的な価値の発揮を通じて、経験知の獲得・決断の精度向上・適切なレビューができる力を得ること
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