「頭の良さ」に価値はない。AI時代、人間に残された「3+1」の仕事とは何か

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決断:何をするのかを決めるのは常に人間である

2つ目は「決断」です。これは、単にやることを決めるという意味にとどまりません。決断とは、目的を定め、複数ある選択肢の中から最適なもの一つに絞り、それに責任をもってコミットすることです。

決めるという行為には、必ず「なぜそれを選ぶのか?」という理由と、「その結果がどうなろうと受け止める」という覚悟がセットになっています。よく、「決断こそがリーダーの役割だ」と言われますが、それは決めることこそが、最も重たい責任を背負う行為だからです。

いろんな人の、いろんな立場からの意見や要望、多くの情報と選択肢を踏まえて決断する。それは、「選ばれなかった選択肢が生んだかもしれない可能性を捨てる」ということでもあります。決断した結果が失敗であれば、選ばれなかった選択肢を支持していた人からは批判されます。

経営判断や事業投資の失敗といった経営レベルの話はもちろんのこと、「先にクライアントの部長の合意を取りに行くべきか」「リリースを遅らせてでもシステムの安定性を強化するべきか」「この物件を買うべきか」といった決断は、常に失敗のリスクとセットです。

だからこそ、決断することは大変であり、決断する人の価値は高いのです。

もちろん、AIが判断できないわけではありません。数字に基づく判断など、「行動を選ぶ」ことそのものは、AIでも可能な時代になっています。

しかし、ここで見落としてはいけないのは、私たちが生きているのは人間社会であるということです。AIが何かを選んだとき、結果がうまくいかなかったとしても、AIが責任を取ることはありません。説明責任はAIではなく、そのAIを使うことを決断した人にあります

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