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石破前総理「ウケる政治が国家のためですか?」

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  • 青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員教授
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また、実際に下げるためには準備期間も含めて1年ぐらいかかる。「上げるときはすぐ上げたじゃないか」と言う人がいますが、それはちゃんと準備をしていたから。

今、本当に暮らしに困っている方々がおられるのは事実であって、「じゃあ1年間お待ちください」という話にならんでしょうよと。どうすれば、早く・効果的に困っている人たちに手当てができるかというと、それは給付だよねという話なんだけど、「消費税減税だ」という声のほうが大きいしウケがいい。これはきつかったですね。

——コメをはじめとする食料品が高いといわれている中で、食料品だけでも下げるという選択肢もあったと思いますが、今でも下げないという判断は間違っていなかったと思いますか。

間違っていなかった。政策的にはね。ただ、政治的な効果はどうだったのかというと、評価は分かれるんでしょうね。

政府の中に「減税も考えるべきだ」という意見がまったくなかったわけじゃないし、自民党の中にもあった。だけど、それをやったらそれこそ「ポピュリズム政治に寄るのか」という批判だってあったでしょう。

退陣の判断は「意地でするもんじゃない」

——総理になる前にもアベノミクスの軌道修正について語られていて、「積極財政は日本の信認に関わる可能性があるからワイズスペンディング(賢い支出)すべきだ」とおっしゃっていましたが、高市政権の政策は行き過ぎているという認識でしょうか。

個人消費がGDPの半分を占めているわけだから、大勢の人たちが豊かになっていくことによって消費は回るんだけど、最低賃金の近傍で暮らしている人が700万人いるし、それよりは上だけど毎日苦しいっていう人もたくさんいる。

アベノミクスのせいだとは言わないが、そういった中で、いわゆる付加価値創出型の経済へ変えようというのがこの1年間だった。

—— “石破おろし”の動きについてはどのような思いだったのでしょうか。「しょうがない」というところがあったのか、「絶対に負けられない」という意地みたいなものが生まれたのか。

意地でやるもんじゃないよね。意地でやるもんじゃないですよ。

実際問題、関税についての一通り決着を見ていなかったですから。まだ、トランプさんが大統領令に署名していない。石破内閣で対応してきた案件だし、ここで代わりますってことになると、「またやり直しかよ」「それは勘弁してよね」っていうのがありました。それがいちばん大きかった。

もう1つは、私のこだわりだったんだけれども、敗戦後80年における考えというのは明らかにしておきたかったので、9月の国連総会というのは1つの節目だったと思います。

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【メディアの退陣報道に対する「驚き」】

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