1400億円が紙くずになった事例も…金融機関が富裕層に積極的に売り込んでいる「CoCo債」って? 思わぬ"落とし穴"を資産運用のプロが暴露

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*規制リスクを認識する

AT1債ショックでは、スイス当局が緊急措置としてその価値を強権で消滅させました。

欧州中央銀行やイギリスなどの当局は、「我が国であれば株主資本を先に減らす」などと表明して不快感を示しましたが、スイス当局はこうした圧力も強行突破しています。

グローバルな商品を買う場合、その発行体が属している国による規制や、政府の出方というリスク(ソブリンリスク)を織り込む必要があります。

中央銀行や政府とは戦っても勝てません。

*分散投資の鉄則

AT1債では、この債券に集中投資していた富裕層も一部にいたようです。

高利回りゆえに、「たくさん買いたい」と思ったのかもしれません。結果は前述のとおりです。

投資の基本である分散投資を常に心がけてください。「ひとつのカゴに卵を全部盛るな」です。

投資でも「セカンドオピニオン」を得るのがトレンド

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とは言え、こうした金融知識は身につけるのが難しいもの。

では、どうしたらいいのでしょうか。

自分だけでは判断できないことは、他の金融機関の担当者にも聞いてセカンドオピニオンを得たり、自分の味方になってくれる信頼できるファイナンシャルアドバイザー(IFAやRIA、プライベートバンカー、FPなど)を見つけたりして、可能な範囲で対策をとっていくことが現実的で賢明でしょう。

【あわせて読みたい】
金融機関が富裕層に売りまくっていた『仕組債』の知られざる"カラクリ"とは? 現役プライベートバンカーがかつて法人相手に行った販売法を「懺悔」
濵島 成士郎 日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー/株式会社WealthLead 代表取締役

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はましま・せいじろう / Seijiro Hamashima

1965年神戸市生まれ、千葉県松戸市出身。國學院高校、信州大学経済学部卒業。
1988年4月、新日本証券(現みずほ証券)入社。営業店、企画部門、人事部門に従事。福井、奈良、横浜西口、池袋西口の4店舗での支店長も含め、富裕層個人と公益法人の資産運用、中堅・上場法人RMに携わる。2011年の東日本大震災をきっかけに人生観が変わり、2017年末に退職。
2018年3月、投資助言会社の株式会社WealthLeadを創業。中小企業経営者を中心に、日本初のRIA(米国式投資助言)兼IFAとして資産運用の助言とM&Aアドバイザリーを提供している。
東京都主催の2018年度「基礎からわかる!女性のための金融セミナー」、2019年度「学生向け金融セミナー」の講師等、講演実績多数。全国に300余名しかいない日本証券アナリスト協会認定シニア・プライベートバンカー。著書に『現役プライベートバンカーがこっそり教える億万長者の資産運用』(すばる舎)、『老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方』(三笠書房)、『証券会社が勧めた投資信託で100万円損しています! ハマシマさん、資産運用のコツを教えてください』(ビジネス社)がある。

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