【専門医が教える】年末年始は脂肪肝に注意!気をつけるべきは「お酒を飲むこと」より「糖質の摂りすぎ」

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あと、「言わずもがな」だとは思いますが、アルコールの飲みすぎもなるべく慎むことです。

日々大量のアルコールが入ってくると、肝臓は分解や解毒に追われまくることになり、肝機能に大きな負担をかけることになります。それに、アルコールが入ると食欲が増してたくさんつまみを摂取することになりがち。年末年始は甘いものやおせち料理など、糖質たっぷりのものをつまみに飲むことも多いでしょうから、肝臓にとってはアルコールのダメージと糖質のダメージが合わさって、まさに「ダブルパンチ」となってしまいます。

ですから、肝臓のためを考えるなら、アルコールも、糖質も、意識的にブレーキをかけていく姿勢が必要でしょう。

「適量」を守れるなら毎日飲んでもOK

もっとも、「あれもダメ、これもダメばかりでは、せっかくの年末年始の楽しみがなくなっちゃうよ」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方々のために「少しだけポジティブな情報」をプラスしておくと、アルコールに関しては、飲みすぎず、適量さえ守れるのであれば、毎日飲んでも構いません。たとえ、年末からお正月まで毎日飲んだとしても、適量であれば肝臓に大きな影響をもたらすこともありませんし、太ることもありません。それに、適量のアルコールには、体の血行をよくしたりストレスを解消したりするなど、心身にプラスに働く側面もあります。

ちなみに、私の考える「適量」は、純アルコール量で1日に40gまで。これは、ビールなら中瓶2本、日本酒なら2合、ワインならグラス3杯、ウイスキーならダブル2杯、缶チューハイなら350㎖2缶分に相当します。

これじゃ飲み足りないよ」という方もいるかもしれませんが、年末年始を毎日楽しく健康に過ごしたいのであれば、だいたいこれくらいの量を目安にしておくことをおすすめします。

まあ、「年末年始くらい、細かいことは気にせずにパーッと行こうよ」という気持ちも分からなくはありません。ただ、肝臓は人間の健康を維持するうえで大きな役割を果たしている臓器。この先の人生を長くすこやかに過ごしていきたいなら、年末年始のこの時期こそ「肝臓にやさしい生活」を心がけるというのも“あっていい考え方”なのではないでしょうか。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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