【専門医が教える】年末年始は脂肪肝に注意!気をつけるべきは「お酒を飲むこと」より「糖質の摂りすぎ」

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そもそも、みなさんは脂肪肝を発症させたり進行させたりするいちばんの原因は何かをご存じでしょうか。

じつは、これこそ「糖質の摂りすぎ」なのです。みなさんご存じのように、糖質は、ごはん、パン、麺類、果物、スナック菓子、甘い飲み物などに多く含まれています。体内に入った糖質はまずブドウ糖に分解されて細胞のエネルギーとして利用されます。また、余ったブドウ糖はグリコーゲンに合成されて筋肉などにストックされます。ただ、日々過剰に糖質を摂っていると、多量の糖をさばききれず、血液中にブドウ糖があふれてしまうことが多いのです。

これらの血中にあふれたブドウ糖はインスリンの働きによって中性脂肪に変換されて肝臓内にたまっていくことになります。つまり、これによって脂肪肝が形成されてしまうことになるわけです。

近年、この脂肪肝は「あらゆる病気の出発点」と見なされるようになっていて、放っていると糖尿病が確実に進行して、動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害、がんなどの重大な病気を招くきっかけとなるとされています。

また、ひと昔前までは脂肪肝というと「アルコールの飲みすぎでなるもの」と見なされていましたが、いまは違います。じつは、現在は「アルコールが原因の脂肪肝」よりも「糖質の摂りすぎが原因の脂肪肝」のほうが数倍も多い状況になっているのです。もちろん、アルコールの飲みすぎも脂肪肝を進めてしまう要因のひとつではあるのですが、それよりも糖質の摂りすぎが肝臓にもたらす悪影響のほうがはるかに大きいことが分かってきたわけですね。

おせんべい、おもち、おせち料理(+アルコール)

そこでみなさん、年末年始の食生活を振り返ってみてください。

クリスマスはケーキをたくさん食べませんでしたか?

年末、こたつにあたってテレビを観ながら甘いものやおせんべいをつまんでいませんでしたか?

お正月、おもちをおなか一杯になるまで食べませんでしたか?

甘い味付けのおせち料理に暇さえあれば箸をつけてはいませんでしたか?

そのうえ、アルコールも毎日たっぷり召し上がってはいませんでしたか?

このような食生活を送っていれば、脂肪肝がどんどん進んでしまうのは避けられません。すなわち、年末年始は1年の中でもとくに脂肪肝に用心しなくてはならない時期なのです。

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