ABインベブ、SABミラー買収を正式提案 米合弁の持分を売却へ
[ブリュッセル/ロンドン 11日 ロイター] - ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)<ABI.BR>は11日、英SABミラー<SAB.L>を1000億ドル超で買収する正式提案を行った。規制当局の買収認可に向けて、SABミラーが米合弁事業の持ち分を売却することについて合意した。
SABミラーは、同社と米ビール大手モルソン・クアーズ・ブリューイング<TAP.N>との合弁事業「ミラークアーズ」の株式のうちSABミラー保有分をモルソンに売却することで合意した。
売却株の比率は全体の58%で、売却総額は120億ドル。
ABインベブが正式に示したSABミラー買収提案は、10日の終値に基づいて計算すると700億ポンド(約1060億ドル)相当。
ABインベブは2016年下期に完了する見通しの同買収で、4年後に年間14億ドルのコスト削減効果を見込んでいる。
SABミラーの取締役会は先月、提案を暫定的に受け入れており、英企業の買収としては過去最大、世界でも4番目の大きさとなる。
ABインベブは、米国など主要市場が弱まるなか、今回の買収でコロンビアやペルーなど中南米市場に参入、アフリカ市場へのアクセスも得る。
アフリカでは、法的に飲酒が認められる年齢に達する人口の急増が見込まれているうえ、急拡大する中間層の間でブランドビールが好まれつつあり、重要市場となる。
<課題は規制当局からの認可取得>
11日の株式市場では、SABミラーは2%弱上昇した。規制当局が買収を認可するのか、依然として不透明感が残ることから、比較的小幅な上昇にとどまった。SABミラーの株価は、ABインベブによる買収観測が浮上した2カ月前の水準から約40%上昇している。
ただABインベブは、買収未成立の場合に30億ドルの違約金を支払うとしており、実現に強い自信を持っていることがうかがえる。
ABインベブ株は11日、2%超上昇した。アナリストは、同社が今回示した試算以上のコスト削減を実施するとの見方を示している。
*内容を追加しました。
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