翻訳家も薦める 文字だけ英語学習に「見る」を入れると劇的に変わる 《ビジュアル》で学ぶ"英語"がこうも話題になる理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そういえば、この記事を書くにあたり英語学習にまつわる記憶を手繰り寄せていて、気がついたことがある。筆者にとって落書きが学びに大いに役立っていたことだ。筆者はフランス語翻訳者だが、じつは、イラストを描く仕事もしている。

文字でなく絵で記憶

子どもの頃から絵を描くことが大好きで、将来は画家やデザイナー、あるいは漫画家になりたいと思っていたこともあった。そして、ここが重要なのだが、あらゆる教科において「ノートをとる」ことを大の苦手としていた。聞いて理解しながら、文字を書くことができないのだ。

代わりに、授業中ずっと落書きをしていた。ノートはもちろんのこと、教科書の余白にも。単元の内容から浮かんだイメージだったり、その日の気分やそのときハマっている何かだったり、先生のシャツの皺やスカートのプリーツだったり……いろいろだ。

しばしば怒られたが、どうにもやめられなかった。そして、試験前になると、それらの落書きをじっと見る。すると、その授業の様子が蘇り、英語や歴史や国語の教科書に書かれていることが生きた情景として浮かび上がった。

昨日のことも思い出せない現在の筆者には信じられない若さ、記憶力の良さがあった、と言ってしまえばそれまでだが、落書きによって当時覚えた英単語やフレーズは「使いどころ」を含め、いまも自分に染み込んでいるように思う。一方、大学受験のためにひたすら文字を読み、意味を詰め込んだ単語やイディオムの数はそれよりはるかに多いが、悲しいかな使いこなせていない。それどころかほぼ覚えていない。

このような落書きの効用は、あくまでわたし個人の例に過ぎない。しかし、これをもっと普遍的な、ビジュアル学習という観点で考えると面白い。直感的な理解を促す情報を視覚から受け取ることによって、既存の記憶やイメージとの関わりから新しい事柄を習得しやすくなるのだ。

次ページ韓国では英語教育がさらに早期・実践的に進化
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事