「やる意味ある?」との声も…劇場版『チェンソーマン』が大ヒット・藤本タツキ『ルックバック』が実写映画化、是枝監督でも不安が募る事情
58分と映画作品にしては短いながら、とにかく丁寧に作られている点が特徴だ。作中では藤本タツキタッチを忠実に再現しており、誰もが納得できる映像作品に仕上がっている。
さらに、藤野が描いた4コママンガをアニメーションとして鑑賞できるなど、アニメ映画ならではの表現で描かれたことも魅力のひとつといえる。
原作に忠実だからといって、原作の二番煎じになっているわけではない。きらめくような音楽やライティングは見事に作品へ彩りを与えてくれており、アニメならではの映画体験を堪能できる。さらに、人間が声を当てているからこその方言や感情表現により、キャラクターの息遣いを感じられるのも楽しい。
こうしたさまざまな要素が高く評価され、興収20億円を突破し、第48回日本アカデミー賞「最優秀アニメーション作品賞」を受賞した本作。根強い人気を誇る本作は、2026年1月21日にBlu-ray&DVDの発売を予定している。
『ルックバック』実写映画化に対する3つの不安
さて、原作マンガ・劇場アニメ共に高い評価を集める『ルックバック』の実写化を受け、どんな反応があったのか見ていこう。
実写化のニュースに対し、ファンたちから挙がったのは主に3つの不安だった。
1つ目は、「実写映画化」に対する拒否感だ。
原作ありきの実写映画には、どうしても嫌な記憶がつきまとう人が多い。実写化するからには「実写化オリジナル」の要素を入れる必要があるため、余計だと感じる要素が追加になり作品らしさを損なうことも少なくないからだ。自分の好きな作品を「台無しにされた」と感じたことがあるなら、そう思うのも仕方がない。
とはいえ、是枝監督の実績は大きく、一定の信頼を獲得しているので、一切をシャットアウトして拒絶するほどの人は少ないように見える。一度は拒絶の姿勢をとったが、是枝監督がメガホンを取るという情報を見てその姿勢を崩した人も多い。
一方で、是枝監督の写実的なトーンにより、原作やアニメより重たい印象を受けるのではないかという懸念もあるようだ。



















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