「若いうちは東京で働くのもアリか…」→「この街を離れたくない」 就活失敗で失意の上京、23歳彼女が選んだ「ゆとりのある街」で起きた"大変化"
引っ越し決断も「離れたくない」
社会人6年目を迎え、結婚を機に広い部屋に住み替えることにした。経堂への思いは積もっていた一方でまだほかの街をよく知らないことに気付いて、都内25駅を降りて歩いてみる。そんなふうに改めて比べても経堂に抱く「バランスが素晴らしい」評価は変わらず、街の最終候補3つに残った。
結局ほかで良い物件を見つけて経堂を離れることになったが、引っ越し前日、夫と駅前のKFCでツイスターにかぶりつきながら「なんでこんなに好きな街なのに、あえて離れる選択をしたんだろうね」と話してブルーになった。
もうすぐ30歳になる。東京で就職したこと、経堂に住んだことは私にとって大きな分かれ道だった。
今でも大阪に行くとそこに住み続けた場合の人生を考えてしまうが、東京で就職してから価値観が思わぬほうへ変わった部分もあって、この「予想していなかった自分」はこちらの道を選んだからこそ得たものだ、とも思う。
親戚のいない東京に1人で住んで、出版社で働き、それから転職と結婚もした。何のつながりもなく、関西弁も聞こえないこの場所で長くやってこられたのは、新卒からの6年という多感な時期を支えてくれた経堂のおかげだろう。
久しぶりに歩いたこの街は、やっぱり広くて明るくて便利で、暮らす人たちの空気感も好きだ。「経堂を離れたくない。いつかまたここに」と語ったあの日が、数年後の伏線となってほしい。
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