「若いうちは東京で働くのもアリか…」→「この街を離れたくない」 就活失敗で失意の上京、23歳彼女が選んだ「ゆとりのある街」で起きた"大変化"
東京23区の家賃相場は大阪時代と比べて数万円は高く、女性が住める1Kだと9万〜10万円はざらだ。私が選んだのは、経堂駅から徒歩5分の鉄筋コンクリート27平米の1Kだった。SUUMOで毎日検索していてそんな物件が新築8.8万円で出てきたものだから、内見もせず急いで契約した、あのときの決断を褒めたい。エレベーターなしの3階が欠点だが、当時の相場でもかなり安かったと思う。
賃貸には珍しくコンロが3口あり、シンクとまな板を置くスペースも十分だった。私は自炊でストレスを解消するタイプで、週末に土鍋で米を炊いてはバーミキュラで無水カレーを作った。
部屋は眺望も抜けており、洗濯物を干して空をバックに写真を撮ってSNSに載せたり、夜に高架上を走る小田急がキラキラ流れていくのを眺めたり。不安定な社会人生活の序盤を、間違いなくこの1Kに支えてもらった。
並木道も、商業施設もある
近所には川を埋めて作られた(と父が教えてくれた)烏山川緑道があって、うねった道が春になると桜並木になる。これを毎年心底楽しみにしていて、時期が来ると緑道を無駄に往復し、週末にはランニングに出かけた。
駅からすぐの大型商業施設コルティには、小田急ブランドのスーパーOX、大戸屋、ミスド、大型書店、無印良品、各クリニックが揃っている。商業施設と共に育った田舎者としてはその利便性を活用するほかなく、週5で通うほど気に入っていた。
仕事終わりにコルティに寄っては三省堂の棚を覗いて、OXで4割引になった中華のお惣菜を買って、あすの朝ごはん用にチョコファッションも1つ。ご機嫌に暮らす方法を知った。



















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