"第二次英仏戦争"を勝利に導き、その後の大英帝国の繁栄を支えた「イギリス国債」という強力な武器

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当時のフランスはヨーロッパでは圧倒的な大国でしたが、イギリスはそのフランスに対してしぶとく対抗していきます。

その帰趨に大きく影響したのが、両国の資金調達力の差です。

大英帝国の成立と繁栄に「欠かせないピース」

教養としての「債券」
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フランスは、借金をしばしば踏み倒してきたため、新たな借入をする際に高い金利を要求されるという代償を負います。

それに対して近代的な国債制度を整えたイギリスは、信用を得て、ついにはフランスの半分程度の金利でお金を借り入れることができるようになりました。

これが一因となって、資金調達力に勝るイギリスが最終的にこの長い抗争の勝者となり、いわゆる大英帝国を築いていくのです。

つまり近代的な国債制度は、大英帝国の成立と繁栄に欠かせない重要なピースの1つであったといえます。

そして現代。主要各国はいずれも近代的な債券市場を有するようになり、国だけでなく、大企業の重要な資金調達の場にもなっています。そして、いまという時代はかつてないほどの莫大な投資資金が積み上がる投資の時代でもあります。

多額の資金を運用する数多くの投資家にとっても、巨大市場になった債券市場はいまや無視することができない存在となっています。

田渕 直也 ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役

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たぶち なおや / Naoya Tabuchi

1963年生まれ。1985年一橋大学経済学部卒業後、日本長期信用銀行に入行。海外証券子会社であるLTCB International Ltdを経て、金融市場営業部および金融開発部次長。2000年にUFJパートナーズ投信(現・三菱UFJ国際投信)に移籍した後、不動産ファンド運用会社社長、生命保険会社執行役員を歴任。現在はミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役。シグマインベストメントスクール学長。『金融と投資のための 確率・統計の基本』『教養としての「金利」』『ランダムウォークを超えて勝つための株式投資の思考法と戦略』『[新版]この1冊ですべてわかる 金融の基本』『図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて』(以上、日本実業出版社)、『ファイナンス理論全史』(ダイヤモンド社)、『「不確実性」超入門』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。

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