男友達に「飲も!」と誘われて居酒屋に行くと…。大学生"ほのか"が、「ああ、自分は『女の子』なんだ」と感じる瞬間
笑いながら駆け寄るとりょうの隣に知らない顔が三つ並んでいることに気づいた。てっきり二人で会うものだと思っていた私は、え、と少し自分の笑顔が引きつるのを感じた。
「あ、そういうことだったのね」
と、誰にも聞かれることのない声でつぶやいた。
「女の子」を求められる場
その場には、りょうを含めて男の子が四人、女の子が三人いた。一軍男子がいて、そこにいろんな女の子が女子枠で呼ばれる、みたいなやつだ。
「おお〜。いらっしゃ〜い!」
拍手をしながら私を迎える男の子たちは、接待チックなマインドでその場を盛り上げようとめちゃめちゃに頑張っていた。女の子たちは「今日楽しませてくれるガールズ」でしかなくて、男の子たちは「よし、今日は女の子がいるぜ」って盛り上げる。友達として飲むんじゃなくて、確実に女の子と気持ちよく遊ぼうという意気込みを感じた。
私はすぐに笑顔を作り直して「女」の自分を全面に出すことに決めた。
「こんにちは〜」
少し甘えるみたいな、高めの声であいさつをしてやった。こういう時は無難にかわいくしておいた方が吉だから。
「おいめっちゃかわいいじゃん!」
「おまえこんな子俺らに隠してたのかよ」
「え、マジでただの友達?」
男子が盛り上がる横でへらへらしているりょうを見て、
「ああ、やっぱりな」
って思った。
そういうことね。飲み会がちょっとつまんないから、女呼ぼうぜ、ってなったのね。それで私だったのね。はいはい。
あんまり親しくない人たち、かつ、こっちも男として見てる人なら悪い気持ちはしなかったかも。だけど、仲のいい友達にその役をさせられるのはすごい不快だった。長引きそうな飲み会に付き合う気はさらさらなくて、一時間もしないうちに私は席を立った。
「明日一限あって早いのでお先に失礼します! 楽しかったです、ありがとうございました!」
「え〜〜。ほのかちゃんもう帰っちゃうの?」
「連絡先交換しておこうよ!」
「ごめんなさい! 電車もう来ちゃうの! またぜひ」



















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