転勤に同意したら初任給1.5倍!? 金銭的メリットを手厚くする企業が相次ぐ背景。「転勤なし」を選択できるかどうかも重要に
「転勤を『コスパの悪い制度』と受け止める人が増えるなか、転勤を受け入れた人に対するベネフィット(恩恵)という面で納得感を得られる金額だと見ています」
東京海上日動火災保険の新制度について、こう評価するのはパーソル総合研究所の砂川和泉研究員だ。
転勤に伴う引っ越し費用は会社負担でも、引っ越しには家具などの買い替えや処分がつきもの。とりわけ既婚者は配偶者の仕事や子どもの教育環境への不安がつきまとう。
経済的なライフプランを考える上で、転勤は「コスパの悪い制度でしかない」とネガティブに捉える見方が、特に若い世代に広がっているのが実情だ。
こうしたなか、企業が転勤制度を維持する上で経済的報酬の拡充が不可欠になりつつある。
同研究所の24年の調査で、転勤がある企業の総合職を対象に転勤を受け入れようと思う手当額を質問したところ、「基本給の20%程度の手当」が毎月支給されると受け入れるという人が半数超に達した。
東京海上日動火災保険の新制度はこれを大きく上回る水準だ。
「転勤なし」を選択できることの重要性
一方、同調査では、基本給の30%以上の手当があっても転勤を受け入れない人が4割弱存在することも分かった。
砂川さんはこの結果も念頭に、転勤を前提として一律に手当を付与するのではなく、その前段として転勤の有無を本人が選択できるのが、東京海上日動火災保険の新制度のポイントだと指摘する。


















