ほぼ全上院議員が汚職に関与?フィリピンの現実/上下院議長・主要閣僚が辞任・解任でマルコス政権は存続の危機
状況を複雑にしているのは、一連のデモや集会が政府の汚職と腐敗に対する抗議に加えて、一部でドゥテルテ前政権支持者による倒閣運動の色彩を帯びているからだ。
22年の正副大統領選選挙でタッグを組んだマルコス大統領とサラ・ドゥテルテ副大統領はその後、袂を分かち、マルコス政権はサラ氏の父ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領を国際刑事裁判所(ICC)に引き渡した。前大統領は政権時に力を入れた麻薬撲滅戦争で司法手続きを経ずに多くの人々が殺害された超法規的殺人に関与したとして「人道に対する罪」でICCに起訴され、指名手配されていた。
ドゥテルテ陣営にすれば、マルコス氏が何らかの形で失脚すれば憲法上サラ氏が後を襲う。大将の身柄を取られて分の悪かった対マルコス陣営との争いを一発逆転できるとの目論見がある。
大統領の姉も違法薬物の暴露発言
対立は政府VS反汚職運動、マルコス陣営VSドゥテルテ陣営にとどまらない。大統領の姉アイミー・マルコス上院議員の暴露発言がさらなる油を注いでいる。
アイミー氏は11月17日、有力キリスト教系団体イグレシア・ニ・クリスト(INC)がマニラ市で催した大規模集会で、大統領夫妻や大統領の長男のサンドロ下院議員が違法薬物を使用していると演説したのだ。
「前政権時代の違法薬物使用者のリストに弟の名があった。私がドゥテルテ前大統領に助けてくれと懇願した。弟は治療に専念すべきだ」などと述べ、夫人や子供たちも家族ぐるみで薬物に手を染めていると続けた。
大統領の違法薬物使用については、前大統領がこれまでに繰り返し指摘し、検査結果を公表するよう求めていた。アイミー氏は前大統領の逮捕以来、弟の陣営を外れ、サラ氏と近い関係になっている。
大統領は、アイミー氏について「私の知る姉ではない」と述べ、サンドロ氏も「危険で無責任な嘘」と切り捨てた。政権内部や周囲とともに家族間でも混迷は深まるばかりだ。



















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