ほぼ全上院議員が汚職に関与?フィリピンの現実/上下院議長・主要閣僚が辞任・解任でマルコス政権は存続の危機

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マルコス氏は8月20日、洪水が頻発するマニラ首都圏近郊のブラカン州で対策事業を視察した。すると公共事業道路省の記録では完成しているはずの220メートル区間の鉄筋コンクリート製堤防が影も形もなかった。支払いは済んでいた。あきれ果て、怒りをあらわにする大統領の姿は全国に配信された。

「幽霊事業」はこの箇所に限らなかった。次々に発覚する不正の責任を問われ更迭された前任者に代わって起用されたディゾン公共事業道路相が調べたところ、約8000カ所の公共事業のうち421カ所は「幽霊」だった。教育省の予算執行では教室の新設事業1700教室のうち完成したのは22教室だけだった。

事業予算の25%はキックバック

洪水対策事業は特定の請負業者に集中的に発注され、その業者の派手な生活ぶりが上院の公聴会で取り上げられた。ある業者夫妻はロールスロイス、ベントレー、ベンツ、リンカーン、キャデラックなど28台の高級車を保有していた。一部は密輸されたもので税関にその後、押収された。

請負業者が甘い汁を吸えるのは役所の関与があるからだ。役人も分け前にあずかっていた。公共事業道路省ブラカン支所の職員5人はカジノ13カ所で10億ペソ(1ペソ約2.6円)を使い、9億5000万ペソ以上をすっていたことがカジノ従業員の証言などで明らかになった。

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