AI相場は「崩壊」か「再編」かの「瀬戸際」を乗り越え、「2026年の日経平均株価は5万9000円まで上昇」と予測する
ただ、この現象は「崩壊」ではなく、「再編」だという見方も多い。再編だとすればどこかで立ち直り、再び上昇に転じることになる。
2026年の日経平均の見通しは?
例年この時期になると、われわれマーケットアナリストへの、翌年相場の見通しアンケートが各メディアから届く。今年もまだ12月相場を残しているが、筆者の2026年相場の骨格を披露したい。まず日経平均の高値は前半で5万6000円、後半で5万9000円と想定する。
まず2026年の企業業績は、前年比10%程度の増益になると想定する。現在の日本株の波乱はAI相場崩壊の不安だけではなく、「円安=株高の構造が逆転するのではないか」という不安も同じように大きい。
通常、日本の長期金利(10年債利回り)が上昇すれば、円の金利魅力が高まり、円高要因になるはずだ。しかし、今回は、日本の10年債利回りの1.83%台という17年ぶりの高水準にもかかわらず、円高にならず株だけが下げた。
これは「財政悪化懸念」という日本売りの円安と、「日銀による利上げ観測の弱まり」「アメリカの利下げ観測後退」という短期的要因によるものだ。「円安=株安」の形となり、今まで日本株を支えていた「円安=株高」のレジームが崩れている。いわゆる「悪い円安」となっていることを、相場は嫌気した。
しかし、良い悪いに関係なく円安は日本企業の業績をかさ上げする。この1ドル=150円台の円安が続く限り、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は上昇する。11月20日現在の2694.64円のEPSは過去最高値であり、ちょうど1年前の2024年11月20日の2453.76円から約9.8%上昇している。インフレでかさ上げされる企業業績が2026年も10%程度の最終増益になることは十分可能だ。



















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