次の開業はどの国だ?「世界の高速鉄道」最新事情 米国はテキサス新幹線苦戦、「LA・ベガス線」優勢
■インド
インドではムンバイ―アーメダバード間508kmの高速鉄道が新幹線方式で建設中。土地収用を最小限に抑えるため全区間の92%を高架とした。高架橋の建設では、橋梁の桁を現場であらかじめ製作しておき、順次橋脚の上部に架設する橋梁上板一括架設工法(Full Span Launching Method : FSLM)という工法がインドで初めて採用された。
従来の工法と比べ作業スピードは格段に向上し、インド高速鉄道公社のアンジャム・ペルベス総裁は「毎月10kmずつ完成している」と胸を張る。桁を運搬する巨大な重機はインド製で、「Make in India(インドで作ろう)」を盛んにアピールしていた。
期待は高いが開業時期は?
インドの鉄道というと、列車にあふれるほどの人が乗り、駅も車両も汚いというイメージを想像する人は多いだろう。インド高速鉄道公社のアチャル・カレー初代総裁もその点は否定しない。そのうえで、「日本のようにきれいな高速鉄道を提供すれば、利用者はそれを維持してくれると思う。そしてパラダイムチェンジが起きる」と、カレー初代総裁は高速鉄道がもたらす社会変革への期待感を示した。
また、インドにはほかにも複数の路線が計画されており、「ムンバイ―アーメダバード間の成否はほかの路線に対するベンチマークになる」とも話した。
現在はインド高速鉄道公社の研修員たちが来日し、JR東日本の研修施設で高速鉄道の運転士として必要な技能を学んでいる。準備は着々と進んでいる。しかし、肝心な開業の見通しは立っていない。両トップからも開業時期に関する言及はなかった。本来の開業時期である2023年はとっくに過ぎた。2026年に一部区間だけ先行開業するという計画もあったが、その話も出なかった。



















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