次の開業はどの国だ?「世界の高速鉄道」最新事情 米国はテキサス新幹線苦戦、「LA・ベガス線」優勢
■オーストラリア
オーストラリアは労働党政権時代の2011年にブリスベン―ニューカッスル―シドニー―キャンベラ―メルボルン間の全長1800kmを結ぶ高速鉄道構想があったが、2013年に労働党から自由党に政権が交代し、在来線の高速化に方針転換された。しかし2022年に再び労働党政権となり、高速鉄道計画が復活した。
1800kmもの長距離に専用線を新たに設ける壮大な計画で、まず中央部のニューカッスル―シドニー間から着手する。オーストラリア高速鉄道庁のジル・ロッソー会長は「わが国の将来を決める重要な投資である」と話す。
着工予定は2027年
第1期区間は「わが国で最も乗客の多い区間で年間約1500万人が鉄道を利用している」とロッソー会長。現状では電車で3時間ほどかかるが、高速鉄道の完成後は1時間程度に短縮される。
建設はニューカッスル―セントラルコースト間、セントラルコースト―シドニー中央間、シドニー中央―西シドニー国際空港間の3段階に分かれ、着工は2027年。第1段階は2037年に開業、第2段階は2039年にシドニーの中心部まで結ばれ、第3段階は2042年にシドニーの西側に建設中の西シドニー国際空港まで結ばれる。
2024年12月にニューカッスル―シドニー間の投資価値検討書が政府の諮問機関、インフラストラクチャー・オーストラリアに提出され、今年7月、「計画を支持する」として承認された。
最高時速は320kmだが、建設コストを抑えるため、全体の6割におよぶトンネルの規格は大掛かりなものとはせず、トンネル区間は時速200kmに抑える。総工事費はトンネルの工事状況次第で大きく変わるという。



















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