「2階建て鉄道車両」なぜヨーロッパには多いのか 通勤列車が多数派、日本の「特別感」と違う導入理由
スイスは優等列車に2階建て車両を数多く運用している。1990年代にまず、チューリヒの近郊列車Sバーンに2階建て車両が採用され、その後インターシティ用のIC2000型客車やRABe502型電車が都市間特急用として導入された。
ただし、スイスは山岳路線が多く、古くからの路線では車体の大きい2階建て車両はトンネルなどの構造物に接触してしまうため、これらの車両は運用制限がある。同国の主要幹線にあるゴッタルドベーストンネルでは2023年8月に貨物列車の脱線事故が発生し、長期間の運休を余儀なくされたが、迂回路となった旧ゴッタルド峠の路線が古い規格だったため2階建て車両による運行ができず、通常の車両をかき集めての運行となった。
日立の2階建て車が活躍するイタリア
イタリアは、2階建て車両は近郊列車という位置づけだ。1970年代にフランスで製造された2階建て客車VB2N型を借りて試験走行を行い、そのまま同型車両(DP型)をライセンス生産という形で導入した。後に2階建て客車の後継車である「ヴィヴァルト」を導入、近年は日立レール製の新型2階建て電車「カラヴァッジョ(ロック)」を導入している。



















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