「2階建て鉄道車両」なぜヨーロッパには多いのか 通勤列車が多数派、日本の「特別感」と違う導入理由
ヨーロッパの高速列車で唯一の2階建て車両であるTGV-Duplexも、増加する利用者数に対し、これ以上の列車本数増加や併結運転だけでは対処が難しいという理由から開発された。日本の優等列車の「プレミアム感」や「眺望性」といった理由とは一線を画し、近郊列車と同様、完全に輸送力が目的である。後継車のTGV-Mも2階建てで、デビューへ向けて試運転が進められている。
フランスでは、収容力以外にバリアフリー対策として2階建て車両を導入している側面もある。フランスの多くの駅のホームは非常に低く、通常の車両では車いすで乗車する場合はリフトが必要となる。そこで、床の低い1階部分に出入り口を設けた車両を導入することで、バリアフリー対策も兼ねるという方法を思いついた。TGVに2階建て車両を導入する、もう一つの理由がここにある。
ドイツは「東」がいち早く導入
ドイツも2階建て車両を積極的に導入している国だ。まだ東西が分かれていた時代に、旧東ドイツで多くの2階建て車両が製造された。中・長距離の普通列車や都市近郊列車の「Sバーン」などで使われ、東西ドイツ統一後は旧西ドイツ地域へも導入された。近年は地方都市間を結ぶ優等列車のインターシティにも2階建て客車が導入されている。



















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