「議論しても無駄」は本当だった? 共和党と民主党、支持者の"脳の構造"は本当に違う

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野村:その実験結果はまだ出ていないのではないでしょうか。その意味では、対話や説得でどんどん変わっていったら、脳のファンクショナリティー(機能性)も変わっていくという可能性は消えていないのでは。

瀧口:脳の機能性は後天的に変わる余地があるんですか。

合田:「エピジェネティクス」というものがあるので。脳にあるニューロン(神経細胞)の数は変わらないけれど、ニューラルネットワークは変えることができるんですね。脳のどの部分が働いているかは、トレーニングで変えられるかもしれない。

性質(Nature)と環境(Nurture)の影響

暦本:それがどのくらいの比率なのか。それは遺伝で決まるのか。教育や環境で変わるのか。左利きの人は左派だとか遺伝的に全部決まっちゃって、その子どもも全部同じとなると、ちょっと怖い感じもしますよね。

合田:「Nature(生まれつきの性質)」対「Nurture(教育によって得られる性質)」ですよね。アメリカのレッドステート(共和党を支持する傾向が高い州)とブルーステート(民主党を支持する傾向が高い州)は基本的に変わらないじゃないですか。親が特定政党を支持していると、ほとんど子どももそうなりますよね。

暦本:それは環境だけの影響ではなく遺伝なのかもしれない。

合田:遺伝も教育的な要素も両方あって、たぶん掛け算されるんだと思います。

野村:アメリカは国土が広いので真ん中に住んでいる人の環境と、両脇に住んでいる人の環境は相当違います。環境があまりにも違っていて、周りの人の意見が違う。だから、遺伝がメインの要因とは言い切れないと思います。

暦本:双子は必ず同じ政党を支持するかどうかで、結果がばらつくかも。

次ページ議論するのは膨大な時間の無駄かもしれないが…
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