40歳女性は「オトナ開始」の場所に舞い戻る 恵比寿、銀座、豊洲、代々木上原を経て三茶へ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最近なんて、チラチラ見てくる若い人たちの前で、1人でラーメンを豪快にすすってやりますよ。どこまで自分の精神がタフでいられるか、ちょっと試してる感じです(笑)

この街を離れて、しあわせは見つけたかい?

私、今どこに住んでると思いますか?

上京して最初に住んだ街、三軒茶屋です。まさか、戻るなんて思いませんでした(笑)

東京に出てきてから17年経ちましたが、離婚して苗字が戻った時、ふと自分の何かがポキっと折れてしまったんです。バランス感覚が抜群によい女だらけの代々木上原にいると、自分の不恰好さが目について、ここにいてはいけない気がしたんです。ひとつの腐ったリンゴが100を腐らせるって言うでしょう?

故郷に帰ろうとも思ったんですよ。ですが、傷ついて田舎に帰るなんて、あまりにも陳腐でありふれた幕の引き方です。それに、私、仕事だけは、手を抜かずにやってきたんです。前の旦那と別居を決めた日も、妊娠をさせてしまったと報告を受けた日も、離婚届を出した翌日も、真っ赤な目で会社に行きました。

例の女上司からは、「あんたみたいな図太い女、いるのね。」って言われて、アポの帰りに「直帰しなさい。」って言われたこともありました。役職は変わらずですが、最近では、雑誌社から女性管理職のロールモデルとしてのオファーを受けたり、PR講座の講師の依頼が来たり、根を張った分、葉を大きく広げることができています。

恋愛面では、世間の求める幸せな女にはなれなかったかもしれない。だけど、仕事では、投げ出さなかったからこそ、ちっぽけかもしれないけど、私なりに満足のいく形になってきているんです。それでも、折れた心を修復するシェルターが必要だったんです。

そう考えたときに、私にとって第二の故郷って、いちばん初めに住んだ街、三軒茶屋なのかもしれないなと思ったんです。

上京して最初に住んだ街、三軒茶屋に戻ってきました

駅前のエコー仲見世商店街や、すずらん通りなど、レトロな雰囲気は17年前と同じなんです。新しいお店も次々と出てくる東京で、タイムスリップしたかのような錯覚に陥りました。

相変わらず、三茶は、適度におしゃれで、適度にださい(笑)23歳の私が感じた、この街の「自分っぽい」中途半端さは未だ健在で、ちょっとは、イイ女になったと勘違いしている私は、17年前の自分に対面したかのような気持ちになって少し恥ずかしくなりました(笑)

次ページどうして三茶に戻ったのか?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事