骨折や転倒がきっかけで介護が必要になる人続出! 怖い「ドミノ骨折」を防ぐには? 《骨を強くする「筋骨体操」のススメ》

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もちろん、どの原因も歩けなくなることにつながることですが、特に骨や関節のトラブルから介護が必要になる人は、想像以上に多いことがおわかりいただけると思います。

なかでも高齢者の要介護に直結するのが、太ももの大腿骨の付け根を折ってしまう「大腿骨(だいたいこつ)近位部骨折」です。ここが折れると、手術を受けても機能が十分に回復しなかったり、長い入院生活で全身の機能が衰えたりするなどして、そのまま自力で歩くことができなくなってしまうことが多いのです。

大腿骨近位部骨折は、日本で年間約20万件も発生しています。1日当たりでは実に600件近く。この骨折を起こすと、2割の方は1年以内に亡くなってしまいます。

このような危険な骨折に至る原因が骨粗しょう症なのです。

骨粗しょう症は、骨の強度が低下することで引き起こされます。骨粗しょう症が原因で折れる骨はほぼ決まっていて、脚の付け根、背骨、腕と肩の間、手首の4カ所に集中します。

脚の付け根あたりで大腿骨が折れる「大腿骨近位部骨折」、背骨を構成している椎骨の椎体の部分がもろくなってつぶれる「椎体(ついたい)圧迫骨折」、腕の付け根の「上腕骨近位部骨折」、手首の「橈骨(とうこつ)遠位端骨折」です。

骨には、スポンジが硬くなったような構造の「海綿骨」と、ギュッと詰まっていて硬い「皮質骨」の2種があります。

海綿骨は代謝が早く、加齢による影響を受けやすいので、歳をとると骨密度が下がりやすいのです。その結果、骨粗しょう症が進むと、海綿骨が多い部分が折れやすくなっていきます。それが下図に示された部位なのです。

骨粗しょう症で骨折が起こりやすい部位
(画像:「よくつまずく」「よろけやすい」人のお助けBOOK)

怖い骨折の連鎖「ドミノ骨折」を防ぐには?

例えば、背骨を骨折すると、そのほかの背骨も次から次へと骨折してしまったり、太ももなどほかの部位も連鎖して骨折してしまったりすることがあります。これは、一度骨折すると、ドミノ倒しのように次々と骨折するので、「ドミノ骨折(骨折の連鎖)」といわれます。

過去に背骨を骨折している人が新たに背骨の骨折を起こす頻度は約5倍、新たに太ももの付け根の骨折を起こす頻度は約2.5倍というデータもあり、過去に骨折したことがない人と比べると、発生率が明らかに高くなっています(下グラフ参照)。

過去の骨折の有無による骨折発生率の違い
(画像:「よくつまずく」「よろけやすい」人のお助けBOOK)
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