上司の「善意」はなぜ若手メンバーに伝わりにくいのか?その理由を深掘りすると見えてくる"納得すぎる彼ら側の理由"とは

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「当然、クライアントを優先するべきだ」

そう考える人が多いと思います。あなたも1か2を選んだのではないでしょうか。しかし、私が選ぶのは3です。

なぜなら、クライアントからの電話は相手の都合で、一方的にかかってくるものだからです。一方、目の前にいるメンバーとの会話は、あなたの「フリータイム」という約束のもとで、互いの時間を尊重して成り立っています。どちらを優先すべきかは、明白です。

「目の前の人」を優先できるか

「でも、クライアントに失礼ではないか?」

そう思う方もいるでしょう。しかし、電話が鳴っている間、目の前のメンバーはこう考えます。

『任せる勇気: チームの熱を生み出す「マインドセット」』
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「リーダーは、電話と自分、どちらを優先するのだろうか?」

もしあなたが迷わず電話に出てしまえば、メンバーの心には「リーダーにとって、自分の相談はクライアントの電話よりも価値が低い」というメッセージが、言葉なく伝わってしまいます。

電話は、後でかけ直すことができます。しかし、目の前にいるメンバーとの信頼関係は、一度壊れてしまうと修復に時間がかかります。

「後でかけ直すから大丈夫だよ」と伝え、たった10秒、電話が鳴り終わるのを待つ。これが、目の前の人を尊重する行動です。もちろん、緊急連絡の場合もあるので、話が一区切りついたら、速やかにかけ直してください。

目の前の人との対話を大切にし、話に耳を傾け、適切な声かけをする。この習慣の積み重ねが、あなたを信頼されるリーダーへと成長させるのです。

五十嵐 剛 株式会社リーダーズクリエイティブラボ 代表、いきいきチーム創り仕掛け人

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いがらし つよし / Tsuyoshi Igarashi

長野県東御市出身。上田高校卒。東海大学卒業後、長野市のNECグループ会社に入社し、NEC本社に逆出向。実績を認められて移籍。中央官庁の大規模システムプロジェクトを担当するなど、リーダーとして多様な現場を経験。年間売上600億円、メンバー1000人超のプロジェクトを率い、NECグループ12万人の中から年100人しか選ばれない社長賞を前代未聞の4度受賞。しかし、その裏で「指示型リーダー」として任せられない苦悩を重ね、突発性難聴を発症。孤独の中で「任せる勇気」こそがチームを動かす原点だと痛感し、トップダウンとボトムアップを融合させた独自のマネジメントスタイルを確立。すると、わずか半年で危機的プロジェクトをV字回復へ導く。

2023年にNEC を定年退職。株式会社リーダーズクリエイティブラボ代表取締役CEOに就任。チームを自律に導くリーダーの育成や、結果を出すチームビルディングを支援している。著書に『結果を出すチームのリーダーがやっていること』(すばる舎)がある。

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