上司の「善意」はなぜ若手メンバーに伝わりにくいのか?その理由を深掘りすると見えてくる"納得すぎる彼ら側の理由"とは

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「いつでもどこでも声をかければいい」という単純な話ではありません。では、「不要な声かけ」とは、一体どんなものでしょうか?

それは、メンバーの行動を先読みして口を出す、いわゆる「過干渉」です。

チームを失敗させたくないし、メンバーにも失敗させたくない。そんな不安が先走り、つい「事前にアドバイスしておこう」「念のために注意を促しておこう」と、余計な言葉をかけてしまうのです。

かつて「指示型リーダー」であった私も、こうして口うるさく声をかけては、メンバーが失敗しないように手厚くお世話しているつもりになっていました。

しかし今考えると、馬を水辺に連れて行っても、喉が渇いていなければ水を飲まないように、メンバーが求めていないときにいくら声をかけても、それは残念ながら「ただのおせっかい」にすぎません。

声かけは、メンバーが「水を飲みたい」と喉を鳴らしたときに、初めて効果的なものとなります。彼らが「助けてほしい」と思っているときが、声かけのタイミングであり、それこそが「必要な声かけ」なのです。

答えを示すよりも「隣に座る勇気」

また、声かけが一方通行なのも、少し寂しいですよね。リーダーとしては、メンバーからも気軽に相談してきてほしいはずです。そこで、メンバーが声をかけやすい環境を整えましょう。

そのための方法の1つが、事前に「フリータイム」をスケジューリングしておくことです。毎日ランチ後の1時間でも、週に1時間でも構いません。

これはメンバー個別に設定する「定期打ち合わせ」とは異なり、メンバー全員に対して一斉に知らせるものです。

まるで相談窓口のように「この時間帯は、会議も打ち合わせも入れません。報告でも相談でも、何でもどうぞ」と全員に通達しましょう。

そして、実際に相談に来てくれたメンバーがいたとします。

ここで絶対にやってはいけないのが、上から目線でアドバイスしたり、ミスや力不足を批判したり、細かく指示を出したりすることです。それは「不要な声かけ」の典型です。

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