マレーシアに建設する新施設ではオーストラリア西部のマウント・ウェルド鉱床で産出される高品質のレアアース鉱石に加え、マレーシア国内で今後開発される(重レアアースの含有率が高い)イオン吸着型鉱床などを原料供給源として活用する予定だ。
新施設では、26年4月にサマリウムの生産を開始し、その後、順次ほかの重希土製品の生産能力を拡大する。サマリウムは高性能磁性材料や先端兵器、ハイテク電子機器の製造に不可欠な素材で、アメリカ製のF-35戦闘機や各種ミサイルにも使用される。
マレーシア、未加工レアアースの輸出禁止令
25年4月以降、中国商務省と海関総署(税関)は、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムなど7種の中・重希土関連品目の輸出規制を実施、中国依存度の高い西側諸国の防衛産業や新エネルギー産業の供給網に大きな問題が生じた。このため、米欧各国では代替供給源の確保が急務となっている。
マレーシアには約1610万トンのレアアース埋蔵量があるものの、長年にわたり採掘や分離精製の技術を欠いていた。こうした状況を踏まえ、マレーシア政府は付加価値の低い原料のままレアアースが流出するのを避けるため、25年8月に未加工レアアースの輸出禁止令を正式に発令し国内での分離精製を振興することにした。
ライナスはアメリカでも工場建設を進めており、20年にアメリカ国防総省と契約を締結。23年にはテキサス州シードリフト市で約149エーカー(約60ヘクタール)の土地を取得している。
(訳注:この原文記事配信後の11月7日、中国政府はアメリカとの合意に基づき、10月に発表したレアアースの製造技術などに関する輸出規制を1年間延期すると発表した)
(財新香港特派員:寧修遠、文思敏)
※中国語原文の配信は10月31日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら