「なんで私がやるんですか?」「なんで今じゃなきゃダメなんですか?」業務の指示を出すたびに質問してくる若手の"心理"

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もう一つ、部下自身の性格的な要素や精神的な障害などが考えられます。

トラブルの原因を個人の特性にのみ求めるやり方には否定的な立場ですが、可能性としてゼロではありません。

いずれにしても、聞いてみないと分からないことです。

「何か心配なことはある?」とか「職場でやりづらさを感じることはない?」といった質問を投げかけてみて、反応を伺うのも一つの方法です。

話し終わっても「ほかには? ほかには?」

実際に、ある会社の社長は、「何か困っていることはないか?」「何でも言ってくれ」と積極的に問いかけることを実践しています。

そして社員が話し始めると、しっかり時間を取って徹底的に聴く姿勢を見せるのです。

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話し終わっても「もっとないか?」「ほかには? ほかには?」といって聞き出します。

そうすると、なんでも言ってくる部下が「もうありません」と言うようになり、納得して仕事に戻っていくのだそうです。

このような対応は、部下の承認欲求を満たす効果が期待され、衝突を防ぐことができます。

もちろん、「そこまで丁寧に関われない」という社長や上司もいるでしょう。

特に中小企業では、効率を重視し、指示を出せばすぐに「はい、分かりました」と動いてくれる社員が理想とされがちです。

ただ、社員がそのようにすぐ動く背景には、社員自身が自分の役割を理解し、納得できていることが必要です。そこで、本人のモチベーションがどこにあるのかを知ろうとするコミュニケーションを取ってみるのも一つの方法ではないでしょうか。

濱本 志帆 特定社会保険労務士

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はまもと しほ

職場でのパワハラ・セクハラや月100時間以上のサービス残業、労災隠し、不当解雇を経験したことから、「会社が労働者を大切にできるための支援」を志し、社会保険労務士資格を取得。顧問業務を行いながら、会社と労働者のトラブル解決に携わる過程で、本来的に職場トラブルを防ぐ方法を考えるようになる。

その後大学院に進学し、組織心理学とトラブル発生のメカニズムを研究。MBAを取得。大学院での研究と実務経験から、問題行動の背景には処遇に対する社員の不満があり、その8割は「不満を聴く」ことで解消していることに気づく。

これを紛争解決に取り入れたところ、多くの困難事例を早期解決できるように。現在は特定社労士の試験でグループ研修のグループリーダーを7期務める。裁判になる前に職場トラブルを早期解決する実務家として15年の経験をもとに、特定社労士実務家の育成セミナーや、企業内ハラスメント研修、経営者向け研修など講師実績も多数。

HP:https://www.adr-sr.com/office

YouTube:https://youtube.com/channel/UCX-9ETNmaMMDx2jn7jCS7ag?si=3_eu1UOm6nlYQT7s

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