1社独占に終止符?「英仏高速鉄道」大バトルの行方 複数企業が参入表明「ユーロスター」は新車で対抗
新型はスイスへも乗り入れが可能で、将来的にはロンドン―フランクフルト/ジュネーブ間を結ぶ新しいサービスに投入することも想定している。デビュー後は、現在の英仏間の主力であるドイツ・シーメンス製の「ヴェラロe320」と共通運用する予定だ。
 
列車の長さは国際列車の規定(最大で全長400m)に合致させるため1編成当たり200m以内とし、2編成を連結した状態で400mに収まるように設計する。1編成当たりの座席数は約540席で、2編成を連結した場合は1本の列車で約1080席となる。これは現在の主力、ヴェラロe320と比べて20%の増加となる。ちなみに、東海道・山陽新幹線のN700Sは16両編成で長さ約404m、座席定員は1319人だ。
車両は全体の97%がリサイクル可能な素材で作られ、25%の部品はリサイクルされた素材で作られる。エネルギー消費量に関しても、従来の車両と比較して20~50%ほど低減すると予想されている。
満足度「最下位」のユーロスター
イギリスと欧州大陸間の旅客列車を独占的に運行してきたユーロスターは、欧州の非政府団体である欧州運輸・環境連盟の調査による鉄道満足度ランキングで不名誉な最下位を記録した(25年2月20日付記事『「ドイツ=正確」は昔、欧州鉄道満足度ランキング』参照)。
とくに批判されてきたのは高額な運賃だ。これはドアtoドアの所要時間を考えた場合、市内中心部に発着する鉄道のほうが航空機より圧倒的に有利であることに加え、競合する鉄道会社が存在しないため、競争がなく強気な運賃設定であることが要因とされる。
だが、競合する鉄道会社が参入することになれば、状況は変わってくる。欧州の鉄道は上下分離化され、運行事業への参入も自由化されているため、同じ線路上を複数の鉄道会社の列車が運行可能だ。
 





 
        
       
        
       
        
       
        
       
           
           
           
          
         
         
         
         
        












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