45歳で親になって開けた世界、「座って食べなさい」と言えない親心に悩みつつも「昔なら参加しなかった」地元活動に見出した人生の完成形

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「家は分譲マンションで、ローンの完済予定は75歳です。そう考えると、定期的に収入があるのはありがたい。恥ずかしながら貯蓄もそこまであるわけじゃないし、独立を視野に入れつつも計画的に考えなくちゃ、と思っています」

健康管理、周りの親との比較は

75歳まであと22年。健康的に仕事を続けるためにも、何か気をつけていることはあるのだろうか。一見、スポーツ経験者のように見える山本さんだが「競技としてのスポーツはあまり好きじゃないんです。でも、体を動かすことは好きですね。地元での移動は徒歩や自転車を選びますし、ストレッチは毎日欠かしません。調子が悪いときは、自分で鍼をうったりお灸をしたりします」

と、鍼灸師らしい答えが返ってきた。東洋医学では、舌や脈の状態を診て体の不調に見当をつける。山本さんも日常的に自分のコンディションを確認しているほか、家族の体調もケアしているという。

娘さんは、山本さんが妻に鍼やお灸をする様子に興味津々で、よく山本さんの仕草を真似ているという。山本さんは昔ながらの「艾(もぐさ)をひねる(成形する)」方法でお灸を作るが、娘さんもお灸を一緒に作るそうだ。「火も一緒につけたがりますが、これはさすがに危ないので僕がやります(笑)」。

最近では、小学生の親の年齢層も多岐にわたり、アラフィフ世代の親もなんら珍しくはなくなってきた。とはいえ、山本さん自身はどう捉えているのだろうか。

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