"京都一ファンキーな不動産屋"が手がける廃墟の平屋集落再生、その名は「ハムレット」。3期目で危機到来、それでも困難に挑む理由

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出てきた女性は「賃貸経営は息子たちに任せている」「彼らは次の月曜日に来るから用事があるならその時に訪ねて来ればよい」と言ってくれた。そして、翌週、再度所有者宅を訪ねた川端さんは集落の魅力を説いた。

いきなり、やってきた不思議な風体の男に所有物件のすばらしさを説かれた所有者ご家族はさぞや困惑したことだろう。築50~60年ほど、3室が縦につながる今でいえば3Kに小さな水回りが付いた古い平屋を価値がある、残すべきだと言われても普通は信じられない。

しかも、その時点では30棟のうち、13棟はすでに空き家になっており、所有者としてはいずれは解体して建て替える計画もあった。

かつて手掛けた南吹田琥珀街

そこで川端さんはこれまで自分が手掛けた物件を見学してもらい、古いエリアの再生には意味があること、きちんと収益も上がることを説いた。案内したのは前述のこんこんと大阪府吹田市南吹田で手掛ける南吹田琥珀街(以下、琥珀街)。

琥珀街はハムレット同様、老朽化した2階建て12戸のアパート、約20戸ほどの長屋が集まる一画で、川端さんは2017年からこれまで3期に分けて再生してきた。

琥珀街
関西ではよく見かける平屋の賃貸住宅、改装前の様子(写真:川端組提供)
改装後の外観
改装し店舗などとして使えるようにした。地域で改修済の建物の軒には琥珀色の照明が下げられている(写真:川端組提供)
改修前のアパート
こちらもよくある老朽化した2階建てアパート(写真:川端組提供)
改修後のアパート
住居ではなく、店舗、オフィスなどとして使われるようになった白ゆり荘。あえて名称は変えない(写真:川端組提供)
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