午前8時からはじまる朝食付き工場見学。ここだけの"焼きたて"笹かまがふわっと絶品!1日に約10万枚生産する仙台・鐘崎「笹かま館」
さらに奥へ進むと、職人たちが実際に作業する生産ラインが広がる。
冷凍状態の原料魚を擂潰(らいかい)機で丁寧にすりつぶし、塩や魚醤を加えて「足」と呼ばれる弾力を生み出す。この工程は、かまぼこの仕上がりを左右する最も重要なプロセスだ。ほどよい弾力と食感を生み出せるよう、その日の気温や湿度、素材の状態を見極めながら、味を調整しつつ、練り合わせていく。
鐘崎では、日々膨大な量の魚をすり身へと加工しているが、仕上がりを支えるのは人の目と手の感覚。機械任せでは出せない微妙な「足」を、職人が見極めている。
“焼きたて”のかまぼこ
成形を終えた笹かまは、300度の高温で約4分間焼き上げられる。
「焼き上げる工程で大切なのは、“安全”“厚み”“焼き色”です。中心部分までしっかり加熱し、独自の焼き方で他にはない厚みと美しい焼き色を生み出しています」
ガラス越しに見える焼成工程は、まさに“生きたものづくり”を間近に感じられる瞬間だ。そして、焼かれていく笹かまがとてもかわいらしい。
最盛期になるシーズンは1日に10万枚近くの生産も行うという。
焼き上げ後は冷却工程へ。かまぼこは冷蔵管理が必要な食品のため、私たちが普段口にしているのはこの冷却後の製品だ。しかし、この工場見学ではなんと焼成後、冷却前の“ここだけのできたて笹かま”を朝食で味わうことができるのだ。
そして、お待ちかねの朝食がこちら。焼きたての笹かま「大漁旗」とお椀にたっぷり入ったあら汁。
「一般に流通している笹かまは加熱後に冷却されますが、見学参加者には冷却前の焼きたてを提供しています。焼きたては香ばしさも食感もまったく違うんです」


















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