観光客にバカ売れする「あのTシャツ」が沖縄経済を動かす…!? 「着たら絶対に写真を撮りたくなる」Tシャツから始まる沖縄ブランドの新潮流

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「ユニオンのTシャツは、もともとは従業員のユニフォームとして作ったんです」と話すのは、バイザーの千綿晋也さん。仲村知充社長の「着て働きたくなるようなデザインで作ろう」というアイデアが発端だったという。するとTシャツの評判が口コミで広まり「売ってほしい」というお客さんの声が続出。1店舗あたり月に数回は問い合わせを受けるようになったという。まさに“裏メニュー”としてユニオンTシャツは始まり、商品化されるようになった。

ユニオン
ユニオン店舗の外観イラストをプリントしたTシャツ。1500円(通販では1900円)と求めやすい価格も魅力だ(ユニオン公式サイトより)

ユニオンのオリジナルグッズは約30種類

現在、Tシャツを主力としたユニオンのオリジナルグッズのラインナップは約30種類ある。スーパーの店舗がデザインされているものから、沖縄のカルチャーをモチーフにしてさりげなくユニオンロゴを忍ばせているものまで幅広い。お土産品や記念品というよりは、普段使いが意識されている印象だ。

ユニオンのグッズは各店舗とオンラインショップのみでの販売を徹底している。そうすることにより、より地元密着の雰囲気があり、良い意味でのマイナー感を出すことに成功している。「畑仕事しているおばさんがユニオンのTシャツを着ているのを見たときには本当にうれしかったです」と販促部の國場祐己さんは声を弾ませる。

スーパーで日用品を買いながらグッズを買っていき、逆にグッズを買いにいきながら日用品を買っていく人もいる。この相互関係の中でスーパーの店舗という「リアルな場」への集客フックを作っていることが、他社にはないようなアプローチだと言えるだろう。

「グッズを買うためにわざわざ県外からお越しになる方もいます」と國場さんが話すように、“自社販売に徹する”ことが外への効果的な訴求に結びついた。前述のオリオンビールが県外展開を強化していく中での「ライフスタイルブランド」戦略と、ユニオンの「自社販売に徹する」姿勢。両社に共通するのは、「暮らしの中に自然に息づいている」点であり、時間をかけてブランドを育て上げてきた好例だ。

前編:沖縄の製造業として初の上場「オリオンビール」→Tシャツ流通額は60億目前、戦後生まれの“沖縄のソウルドリンク”が示す郷土と世界をつなぐ挑戦
長濱 良起 フリーランス記者

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ながはま よしき / Yoshiki Nagahama

フリーランス記者。得意ジャンルは音楽・経済。沖縄県出身・在住。
元琉球新報記者。フリー転向後も新聞や雑誌、書籍、ウェブ媒体などでの記事執筆を続け、これまでの取材執筆本数は約2000本。海外メディアの日本国内取材コーディネーターとしても活動。旅と音楽が好きで、訪問国数40ヵ国超。1986年生まれ。

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