観光客にバカ売れする「あのTシャツ」が沖縄経済を動かす…!? 「着たら絶対に写真を撮りたくなる」Tシャツから始まる沖縄ブランドの新潮流

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オリオンビールTシャツ
国際通りのお土産店の様子。オリオンビールTシャツは目玉商品だ(筆者撮影)
オリオンビールTシャツ
国際通りの別のお土産店の店先。白の次に黒がよく見かけるカラーバリエーションだ(筆者撮影)

「Make Okinawa Famous」沖縄の魅力を伝えてブランドの浸透

オリオンビールによると、「観光客のオリオンビールの認知度」は96.9%である。沖縄を訪れる観光客の「ほぼ全員が知っている」と言っても過言ではない。この圧倒的な知名度を生かして伸びているのが、ロゴの使用権利を販売する「ブランドライセンス事業」だ。

オリオンビール関連グッズ全体の流通額は2019年度には約10億円だった。その後コロナ禍で観光客が大幅に減った2020年、2021年は約3億円まで落ち込んだが、コロナ禍明けで観光客が戻り始めた2022年には約10億円に回復した。その後は右肩上がりを続けて、2024年度に約30億円に。そして、2025年度には60億円を突破する見込みだというから、すごい勢いだ。

(画像:東洋経済オンライン編集部作成)

関連グッズの中でも主力となっているのがTシャツだ。色もデザインも豊富で、沖縄観光気分を盛り上げてくれる。観光客がオリオンビールTシャツを着て沖縄の海や街なかで撮った写真はInstagramなどでもよく目にするようになった。こうやってじわじわと認知度が高まりどんどん人気になっていったのだろうと想像できる。

オリオンビールTシャツ
国際通りを歩けば、オリオンビールTシャツを着た観光客の姿が(筆者撮影)

しかし、人気の理由はデザインのかわいさだけではなく、もっと深い部分にあるのではないか。前編でも紹介したように「沖縄の歴史とともに歩んできたビール」として、オリオンビールは今や“沖縄そのもの”を象徴するアイコンになっている。だからこそ、観光客の「せっかくなら沖縄らしいものを」という気持ちを着て楽しく歩き回れるのが、オリオンビールTシャツなのだ。

このように、オリオンビールTシャツは主に観光客が着ているイメージもあるが、沖縄県民だって感化されて、何かのタイミングで着たくなることがある。筆者は少し張り切って、蛍光黄緑のスポーティーなTシャツを買った。ビーチでのBBQではどうしても目立ってしまうのでパーティー感満載だ。

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