【LM=ラグジュアリームーバーの価値と存在意義とは】2000万円級のレクサス「LM500h EXECUTIVE」が一部改良でさらなる高みを目指す意味

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後席に脱着可能なリモコン式リアマルチオペレーションパネルをはじめ後席ドアの開閉機構やスマートフォンを置けるトレイなどが設けられた
後席に脱着可能なリモコン式リアマルチオペレーションパネルをはじめ後席ドアの開閉機構やスマートフォンを置けるトレイなどが設けられた(筆者撮影)

このクルマの本質的な価値は、後席乗員がリラックスしていられるところにある。

そのため、シートはクッション性にことさら気が使われているようだ。エアクッションと、滑りにくく手ざわりのよいレザーを張り、さらにバックレストが大きくリクラインする機能も持つ。4人乗り仕様の後席シートは、垂直から83.5度まで、ほぼ無段階でバックレストを倒すことができる。それに膝から下の脚を休ませるオットマンも展開する。

以前、レクサスの開発担当者に聞いたところ、苦労したのは、ヘッドレストレイント(ヘッドレスト)だったそうだ。

大きな角度をつけたバックレストの上でリラックスしている乗員の頭部をうまく固定する必要がある。不安定だと、気分が悪くなりかねない。その対策として、適度なくぼみをつけて頭部を固定したり、滑りにくい材質を選んだりなどの対策が施されている。もちろん頸椎や背骨と頭部の位置関係も重要、と解剖学的な所見も盛り込まれたようだ。

移動✕休息という個性の探求

4席独立温度調整オートエアコンなどさまざまな機能が搭載されている
4席独立温度調整オートエアコンなどさまざまな機能が搭載されている(筆者撮影)

このクルマを選ぶエグゼクティブは、移動中に休息を取りたがる。それをなにより重視して開発してほしい、というのがトップからの要望だったと聞いた。

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フルにリクラインしたシートに体を横たえていると、路面からの突き上げも、車体下部に小石があったり、タイヤが路面と擦れたりするノイズもほぼ気にならない。さらに大型のモニタースクリーンがあってもいいのでは、と思わないではないものの、休息が優先項目となると、左右席間のパーティションとか、さらなる個室化のほうが求められるかもしれない。

欧州には、メルセデス・ベンツ「Vクラス」やフォルクスワーゲンの「ID.BUZZ」「ムルティバン」「トランスポーターシャトル」など、機能的なミニバンが多い。そこにあっても、後席の2人にフォーカスというパッケージを持つLM EXECUTIVEの独自性は際立つ。アジア以外の市場でも、評価されているというのにもうなずける。

Lexus LM500h Executive
全長×全幅×全高:5125×1890×1955mm
車重:2460kg
ホイールベース:3000mm
パワートレーン:2393cc 4気筒+電気モーター(ハイブリッド)
エンジン最高出力:202kW
エンジン最大トルク:460Nm
モーター最高出力:フロント64kW、リア76kW
モーター最大トルク:フロント292Nm、リア169Nm
変速機:6段オートマチック変速機
駆動方式:全輪駆動(後輪はモーター駆動)
燃費:13.5km@l(WLTC)
乗車定員:4名
価格:2010万円
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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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