国分太一「対立するつもりはない」も、日テレは「強く抗議」の泥沼化…しかし、「人権救済の申し立て」をするしかなかった"切実な事情"

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被害者にはプライバシー権があり、守られるべきである一方、加害者の名誉権が守られないのは適切と言えるのか。本人にすらほとんど情報が与えられずブラックボックス化され、身動きが取れないまま生きづらい状態が続くことはすべて“自業自得”なのか。

被害者は国分さんを訴えず、国分さんも日本テレビを訴えるつもりはなく、むしろ謝罪したいと考えていて、ほぼ裁判にならない事案であることは間違いないでしょう。

ただ、見逃せないのは、「世間による国分さんへの公開裁判のような社会的制裁が続いている」という実情があること。裁判のような判決や和解がなく、犯罪行為にすらあるような時効もなく、このままでは終わりが見えないから、日弁連に申し立てするしかなかったように見えます。

国分さんは反省すべき点があったのは確かである反面、詳細がわからないまま仕事を追われ、所属グループは解散。家族ともども日常生活に支障を来しているようですが、はたして罪と罰のバランスは適切なのか。

これらを踏まえると、今回の申し立ては、「何かを勝ち取りたい」のではなく、「人としての日常を回復させるため」のものなのでしょう。

国分さんは現在51歳とまだまだ残りの人生は長く、それを閉ざすような現状は社会にとっていいことなのか。もし自分の身に似たようなことが降りかかったとき、私たちは受け入れられるのか。社会に一石を投じるようなニュアンスを感じさせられます。

日テレの対応は「適切」でも、残る疑問

次に、日本テレビがすぐに反論した背景をあげていきましょう。

日本テレビは6月に国分さんの「ザ!鉄腕!DASH!!」降板を発表し、その理由として過去にコンプライアンス上の問題行為が複数あったことなどをあげました。さらに「プライバシー保護の観点から内容については説明できない」という姿勢を徹底しています。

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