金融担当相に片山さつき氏、業界首脳らと直接のパイプを持つところに強み、地銀再編への対応にも注目

片山さつき氏が金融担当相に就任した。直近の4年間にわたり自民党の金融調査会長を務め、「金融族」を代表する議員のひとりだ。銀行や証券、保険会社などの首脳ら幹部と直接のパイプを多く持っており、地方銀行の再編などにおいてその手腕に注目が集まる。
片山氏は1982年に旧大蔵省(財務省)に入省した。実は官僚時代にも金融行政にかかわった経験を持つ。90年代後半、北海道拓殖銀行や山一証券が破綻するなど金融業界が大きく混乱する中、銀行局の担当室長として当時の「金融再生トータルプラン」や不良債権処理に奔走した。
その後、予算編成を担う主計局で課長級の主計官に女性として初めて就任し、話題となった。財務相としても女性初だ。
「金融まわりの難しい制度などにも精通」
2005年の政界進出以降は幅広い分野で活躍し、規制改革や地方創生、女性活躍担当の大臣も務めた。21年11月、自民党の金融調査会長に就任すると、新型コロナウイルスの感染拡大で傷んだ飲食業・宿泊業などの支援強化に取り組んだ。政府系の金融機関やファンドを活用するだけでなく、民間の銀行にも積極的な下支えを迫った。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは片山氏について、「金融まわりの難しい制度などにも精通しており、これまでの議論も知っている。経済の好循環を回すという観点から、金融行政に必要な改革を進めるだろう」と話す。