財務相に片山さつき氏が選ばれた理由とは?「過度な円安をかわす狙いがあるのではないか」との声も

21日に発足する高市早苗内閣で、財務相に片山さつき元地方創生担当相を起用することが決まった。女性の財務相は初で、高市政権の目玉人事と言える。旧大蔵省出身で、財務省の考えや政策決定プロセスに精通する「能吏」との見方もあり、「責任ある積極財政」を掲げる高市内閣の経済・財政政策をどう舵取りするのか注目が集まる。高市トレードで強まる円の先安観への対処も求められる。
初仕事は補正編成
片山財務相の初仕事は、経済対策を裏付ける2025年度補正予算案の編成となる。賃上げや所得向上に向けた環境整備に加え、豪雨被害などへの災害対応では課題が残る。
経済対策の策定指示のタイミングに関し、高市首相は「(就任後)すぐに」と述べた。きょうにも関係閣僚に策定を指示し、年内の補正予算成立を視野に入れる。
今月下旬の来日を調整するトランプ米大統領とは、関税合意に伴う投資案件の選定を急ぐ構えだ。米側から防衛費のさらなる増額を求められる可能性も取りざたされており、財源面から経済成長と財政健全化をいかに両立させるか、片山氏の手腕が問われる。