「世界シェア7割」を独占! 東洋合成工業が握る半導体微細化の"生命線"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

研究生産体制は整ったものの、国内市場が未成熟で参入が困難だったため、半導体先進国の米国に活路を求めた。米国企業への販売をきっかけとして販路を拡大し、その後は半導体の微細化にともなって事業を拡大していった。現在では全売上高のうち60%が感光材だ。

経済安全保障上も重要な位置を占める

日本人が知らない‼ 世界シェアNo.1のすごい日本企業
『日本人が知らない‼ 世界シェアNo.1のすごい日本企業』(プレジデント社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

数百ある半導体の製造工程では、企業同士のすり合わせが重要だ。長年のすり合わせによって構築された関係は強固であり、他社への置き換えは容易ではない。もし、材料を他社のものに変更した場合、同じ製品を製造できるかわからない。

フォトレジストメーカーが材料を取引実績のない他社製品に変更するのは、リスクが高すぎる。もし変更するとしても膨大な件数のシミュレーションが必要になるので、莫大なコストがかかる。したがって、世界の主要フォトレジストメーカーと密接な関係を持つ東洋合成の優位が揺らぐことは考えにくい。

ちなみに、東洋合成は財務省の「海外投資家の出資を事前審査する重点企業」リストに掲載されている。ここに掲載されたということは、日本政府が外資からの買収に対して重点的に保護する企業であるということ。東洋合成の技術が経済安全保障上とても重要であることを示している。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事