「世界シェア7割」を独占! 東洋合成工業が握る半導体微細化の"生命線"
半導体の製造過程ではわずかなホコリやチリも許されない。シリコンウエハーの直径を300ミリメートルとすると10ナノメートルのゴミがあるだけで、その半導体は不良品となり使いものにならない。ナノレベルで表現しても実感がわかないかもしれないが、例えるなら日本列島の広さの場所に10円玉大の汚れが許されないというレベルだ。
純度の高いフォトレジストを製造するには純度の高い感光材が必要であり、東洋合成はこの要求に応える高い技術を有する。
フォトレジストの材料は感光材以外に高純度溶剤とポリマー(樹脂)などもあるが、東洋合成はこれらも製造している。「フォトレジストの材料すべてを製造しているのは東洋合成工業だけだ」(木村有仁社長)。
化学品物流ビジネスも手がける
東洋合成は他社の液体化学品を貯蔵・精製・輸送する化学品物流ビジネスも手がけている。顧客は大手石油化学メーカーや総合商社などだ。
同社の高浜油槽所は、東京湾岸道路の千鳥町のすぐ近くというアクセス抜群の場所に位置し、4万3000平方メートルの敷地(東京ドームとほぼ同じ)に危険物貯蔵タンクを計65基(総容量5万5400キロリットル)保有している。
敷地は海に面しており、船舶で運ばれた化学品を受け入れて、タンクに貯蔵したり、ドラム缶に詰め替えたりする。また、配送用のタンクローリーへの積載も行う。
東洋合成は単なる物流業者ではなく、化学メーカーなので化学品の取り扱いに慣れている上に、受け入れた化学品を分析・精製することもできる。海外から輸入される化学汎用品は純度が低いので、顧客の中にはここでの精製を希望する企業が多い。



















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