東京に"異変"ミシュラン二つ星が10年で半減の過酷な現実 東京で星を取るのがなぜ難しくなったのか
現在、ミシュランガイド公式サイトの東京のレストラン検索の項目に「評価」や「料理カテゴリー」と並んで「利用シーン」が設定されている。こちらはまだ世界すべての都市に設定されているわけではなさそうだ。
注目すべきはその中にある「ソロダイニング」。つまり「おひとりさまに適した店」だ。「おひとりさま」が、いよいよミシュランガイドでも市民権を得たかという感を強くする。
そして東京のセレクションの「ソロダイニング」率が突出しているのが目を引く。その数526軒のうち315軒で全体の59%。
ためしに、他国の都市の「ソロダイニング」率も見てみた。やはり日本の「おひとりさま」ダイニング率は際立っていて、たとえばイギリス・ロンドンの場合349軒中22軒(6%)、お隣の韓国・ソウルでも195軒中52軒(26%)ほどだ。
人気漫画『孤独のグルメ』が人気の近年の風潮を見るまでもなく、日本では寿司や蕎麦、天ぷら、ラーメンなど一人で味わうカテゴリーで高く評価されている店は多い。「ソロダイニング」の設定は、そのことを軒数でも実感させる。
星の位置づけのおさらい
ミシュランガイドの星の位置づけは次のとおり。
二つ星:遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
一つ星:近くに訪れたら行く価値のある優れた料理
ビブグルマン:価格以上の満足感が得られる料理

日本では2024年版から始まった「セレクテッド」。一般的に「星はつかないけれどもお薦めの店」という認識をされている。公式サイトには「より多くのおすすめレストランを紹介したいと考え、セレクテッドレストランが加わりました」とあり、セレクテッドから一つ星に移行した場合は「プロモーテッド」と記載される。
今年は新たに38軒が選出されて計252軒。開始3年ですでに、一つ星から三つ星まですべて足した軒数よりも多い。セレクテッドの設定は他の都市にもあるが、東京のクオリティは全体的に高く、海外であれば一つ星であるような店もセレクテッドに入っていると思うことが東京ではよくある。
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