劇場版《チェンソーマン》が「興収100億円超え」も現実味を帯びるワケ。《レゼ篇》が「女性ファン」や「初見層」の心を掴む理由を解説!

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とくに、作品の世界観に溶け込みつつ、そのメッセージ性や映像の迫力にブーストをかけるような「IRIS OUT」は、彼のファンだけでなく、アニメファンのほか、幅広く一般層をも魅了している。その心を捉えて離さない曲のインパクトは、劇場版の物語を含めた作品全体へ関心を広げているのだ。

デンジとマキマ
デンジと上司のマキマ© 2025 M/CSMP ©TF/S

“テレビアニメ飛ばし”を前提にした施策が奏効

昨今では、“テレビアニメ飛ばし”と呼ばれる、原作漫画やテレビアニメを飛ばして、話題になっている劇場版だけを楽しむライト層が増えている。

そんななか、制作側もそれを前提にしたシリーズ構成や、メディアをまたいだ過去作の視聴環境の整備など、シリーズのファンを増やすための施策に取り組んでいる。

従来型のプロモーションに加えて、そうした市場環境の変化に応じた一般層へのアプローチおよび世の中的な話題の喚起が、シリーズのブランド化に欠かせない。そんな時勢のなか、それをゴールにしたさまざまな施策が奏効してこそ100億円超えという結果に結びつくのだろう。

早川アキ
早川アキ© 2025 M/CSMP ©TF/S

もちろん、観客を引きつける作品のクオリティが大前提であり、そのうえでのさまざまな施策による効果になるが、一方で、作品の良し悪しにかかわらず、一般層に知られていないために話題になることなく埋もれていく作品も少なくない。

『チェンソーマン レゼ篇』は作品と音楽の素晴らしさと、さまざまなプロモーション施策がすべてうまく噛み合っている。結果、それが話題になって追い風が生まれ、ヒットは拡大。この劇場版によってシリーズのファン層は広がっている。

本作に限らず、この先も100億円超えが期待できる、『週刊少年ジャンプ』発の新たな大ヒットシリーズが誕生しそうだ。

【もっと読む】アニメと結末が違う?実写映画《秒速5センチメートル》ストーリー構成"改編"の吉凶。ロマンチックだけど「リアルで残酷な物語」を徹底レビュー では、10月10日に公開された劇場用実写映画『秒速5センチメートル』について、ライターの武井保之氏が詳細に解説している。
武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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