劇場版《チェンソーマン》が「興収100億円超え」も現実味を帯びるワケ。《レゼ篇》が「女性ファン」や「初見層」の心を掴む理由を解説!
その背景にあるのが、さまざまな動画によるライト層へのアプローチだ。
原作は、19〜21年まで『週刊少年ジャンプ』で第1部「公安編」が連載され、22年7月から第2部「学園編」が『少年ジャンプ+』で連載中。既刊22巻シリーズ累計発行部数は3000万部を突破しており、固定コア層に支えられている。
そんな下地があるなか、22年10月期のテレビアニメ第1期で原作1〜5巻の途中までが描かれ、その続編新作となるのがシリーズ初の劇場版となる本作だ。テレビアニメ放送では、過激なバトルアクション描写が盛りだくさんだったにもかかわらず、一気にファン層が広がった。
本作では、さらなる新規層へアプローチするために、テレビアニメ全12話を約3時間半にまとめた『チェンソーマン 総集篇』を無料サイトはじめ、各動画配信サービスで配信。
さらに『総集篇』を10分にまとめた動画をYouTube公式チャンネルで公開し、劇場版が初見となる人のシリーズへのハードルを下げた。
ダイジェスト的な動画を入り口にして、作品へのタッチポイントを増やしていったのだ。
米津玄師の関連動画から関心の幅を広げる

こうした作品動画に加えて、主題歌を手がける米津玄師の関連動画も続々と配信され、それぞれ再生数は100万〜200万ほどの注目動画になっている。
本作の主題歌は米津玄師の「IRIS OUT」、エンディングテーマは米津玄師、宇多田ヒカルの「JANE DOE」になるが、『原作者 藤本タツキ × 主題歌 米津玄師 対談』や『米津玄師 × 宇多田ヒカル - JANE DOE対談』といった特別動画が公式チャンネルで配信されている。
2曲とも米津玄師による劇場版の内容とシンクロしたオリジナル書き下ろし。それぞれの対談の内容は濃く、深い。彼のファンではなくても引き込まれる内容になっている。
もともとZ世代をはじめ、ネットユーザーからの圧倒的支持を受ける米津玄師の動画の引きは強いが、劇場版が公開されてからは、「映画も曲もすごい」という話題が話題を呼び、動画視聴が増えるとともに、未見の人たちの劇場版への関心を高めている。
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