大手生保2社の東京電力株売却が判明、今後の保有・売却も、様子見かつ流動的か

東京電力が2012年3月末の上位株主を公表した。注目されたのは、事前に一部報道のあった生命保険大手2社の持ち株動向。第一生命、日本生命とも実際に持ち株数・比率を減らし、順位を下げた(以下は、11年9月末→12年3月末)。

第一生命(5500万株、3.42%、1位 → 3560万株、2.22%、4位)
 日本生命(5280万株、3.29%、2位 → 3520万株、2.19%、5位)

関係者は「今後の株価動向や東電の経営を不安視したため売却したのではない。無配株に資金を固定していることが、運用面でマイナスであり、加入者への説明責任が果たせないことを考慮して一部売却した」と説明する。

日本生命は4月23日の運用説明会で、東京電力への投融資について「株式については一定程度売却した。今年度も、流動的な部分を踏まえた対応、また公共性を踏まえた対応をバランスよく対応していく。契約者説明責任、公共性、中長期的な運用スタンスを適切に考慮してゆく」と説明した。

ちなみに日本生命は今12年度の株式の運用方針について、残高を横ばいもしくは微増としたうえで、「成長性・株主還元状況に着目し、中長期的な収益力向上につながるポートフォリオを構築」としている。単純に解釈すれば、東電株が今期も売却の対象になっても、何ら不可思議ではないように見える。

また大株主として社名は浮上していないが、若干の株式保有があると見られる明治安田生命も、運用説明会では「東電株については当然、減損計上しているが保有株数が少ないので金額は大きくない。社会インフラを支える企業・産業ではあるが、当社にも契約者への説明責任があるので、今後も状況を見ていく。特に同社の総合特別事業計画の動向には注視していきたい」としている。

東電株保有について生保各社は確定的なスタンスというよりも、当面、様子見かつ流動的な展開が続きそうだ。

なお、従来からの大株主である東京都、三井住友銀行は、持ち株数・比率に変化はないが、相対的に順位が上昇し、それぞれ1位、3位となった。8位のみずほコーポレート銀行も変化はなく、それだけに大手生保2社の動向が目立つ形となった。
(石川正樹 撮影:梅谷秀司 =東洋経済オンライン)

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