「いい加減にして!あなたなんて死ねばいいのに!」子に言い放った母の"まさかのその後"
そこで私は、母親と彼女それぞれの気持ちを丁寧に聞きながら、どうすればいいかを一緒に考えました。やがて彼女は、母親の「気持ちを直接伝えたい」という願いを受け入れ、私の立ち合いのもと、向き合うことになりました。
面談の日。母親は涙ながらに、「あのときは本当にごめんね」と謝罪しました。彼女はその言葉をしっかりと受け止め、「本当に〝死ねばいいのに〟と思われてたわけじゃなかったんだ」と、ようやく確信を持つことができたそうです。
のちに、その日を境に2人の心の距離がぐっと近づいたと聞くことができました。
親の「余裕」が、子どもの心を守る力になる
どれほど優しい人であっても、心に余裕がなければ、トゲのある言葉で子どもを深く傷つけてしまうことがあります。そんな何気ない一言が、子どもの心に棘のように刺さることも少なくありません。だからこそ、親が心にゆとりを持つことは、子どもの心を守ることにもつながるのです。
たとえば、感情が高ぶったときには、子どもと物理的に少し距離を取ることも1つの方法です。いったんその場を離れ、ほかのことをする。別の部屋でお茶を飲む。私は気分を変えるために、買い物に出かけてしまうこともありました。
たった数分でも、感情のピークをやりすごすための「間」ができるだけで、冷静さを取り戻せることがあります。
そしてもう1つ大切にしてほしいのは、「うまくできなくて当然」と自分に言ってあげることです。親だって人間です。いつも正しく、優しく、完璧でいようとすれば、かえって苦しくなってしまいます。
「ときどき失敗しても、あとでやり直せばいい」「少しずつ、親として育っていけばいい」と考えるだけで、気持ちに余白が生まれます。
感情に流されないようにするために、少しだけ立ち止まる。ひと呼吸おいて、思いを整える。それだけでも、親子の関係はより穏やかで温かいものになっていきます。
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