「女子トークしよう」「夫をもっと教育したほうがいい」…平気でプライベートに介入する上司がストレス。うまくあしらうには?【事例で紹介】
課長からいろいろと諭されて以降、家事や育児で仕事を中断するのが憚られ、また夫や子どもの声が聞こえていないかなども気になってしまい、テレワークがしにくくなったそうです。
チャットにすぐに反応しないと、「(夫の)教育、頑張ろうね!」などという見当外れな応援のメッセージが入ったりもしました。
やがて山田さんは、課長に対して頻繁に“苛立ち”を感じるようになり、さらに課長に対する明確な“怒り”を意識するようになりました。それが限界まで大きくなったのは、課長から、山田さん夫婦と課長夫婦4人でオンライン飲み会をしようという提案をもらったときでした。
課長は飲み会を通して、自分の夫と一緒に山田さんの夫を“イクメン”にすべくアドバイスするというのです。山田さんはあまりの腹立たしさに、提案をもらって以降、眠れなくなったり食欲がなくなったりして、日常生活にも影響が出はじめたということでした。
コントロール欲求が強い上司への対処
この課長のようなプライベートに介入する上司の心理的背景には、なにがあるのでしょうか。
まずは、課長はコントロール欲求が強いタイプであり、職場の人間関係の境界線についての認識が曖昧であるといえるでしょう。部下の状況を細かく管理して把握しておかないと、安心感が得られないのです。
そのため、場合によっては職場だけでなく私生活にも介入が及び、それが部下の選択や行動に対する「指導」や「アドバイス」という形で現れることになります。
このようなタイプの人は、自己愛がゆがんでいることが多いようです。自分に対して自信が持てないため、他人の領域にまで踏み込んでアドバイスをすることで、自分を満たしているようなところがあるのです。
さらに職場によっては(世代や社風にもよりますが)、ハラスメントの知識が行き届いていないこともあります。職場を家族や友人のように考えるタイプの上司は今でも一定数いて、部下のプライベートに関与することが美徳だと思っているようなところがあります。
このような上司にあたった場合、どうすればよいでしょうか。
今回、山田さんは転職してきたばかりという特殊な状況であったため、同僚はどう対応しているのかなどが見えにくかったようです。課長の干渉がエスカレートしてきた時点で、信頼できそうな同僚にそれとなく対応法を聞いたり、さらに上の上司に相談したりするなどの方法も、検討すればよかったと思われます。
今回のケースは、山田さん自身がネガティブな感情に飲み込まれてしまい、ストレス反応が日常生活にも出ていたこと、課長に対して明確な意思表示ができていなかったことが問題でした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら