家電のソニーからエンタメのソニーへ。CESにソニー・ホンダモビリティが出展し、ソニーグループ・サムスンが「メイン会場を去る」背景

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正確にいえば、ソニー関連企業の出展がなくなるわけではない。ソニーグループと本田技研工業の合弁企業である「ソニー・ホンダモビリティ」がCESに出展。従来はソニーグループのブースであった場所を使い、プレスデーのカンファレンスも「ソニー・ホンダ」として行うことになる。

CESの出展社情報を「Sony」で検索してもソニーグループとその関連企業の名前は、ソニー・ホンダモビリティのものが出てくるだけだ。

CESのサイト
CESのサイトで出展社情報を検索しても、ソニー・ホンダモビリティのみが出てくる(筆者撮影)

長年CESで「日本の家電メーカー」として存在感を示してきた同社が事実上出展を手控えるのは、ある意味で衝撃だ。

この件についてソニーグループ広報は、以下のようなコメントを出している。

経営の方向性や戦略がエンタテインメントやクリエイションにシフトする中、今後CESにおいては、よりフォーカスを定めたアプローチを取っていきます。
CES 2026では、ソニー・ホンダモビリティの取り組みを軸に、モビリティおよびその関連テクノロジーを中心に発信する予定です。
イベントの詳細については、年内に改めてご案内します。
ソニーは1967年以来 CESに参加し、革新的なコンシューマー製品やテクノロジーを披露してきました。
CTAは常に信頼できる重要なパートナーであり、今後も連携を継続していきます。

家電のソニーから「エンタメのソニー」へ

これはどういうことなのか?

ソニーは現在「ソニーグループ」だ。「ソニー株式会社」の名はエレクトロニクス事業である「ET&S(エンタテインメント・テクノロジー&サービス)」分野を担当する子会社の名として残っているものの、あくまでグループの一部でしかない。

現在のソニーグループは、ゲーム・映画・音楽・ET&S・半導体の5部門で成り立っている。金融事業は10月から分離し、「ソニーフィナンシャルグループ」として独立した。

エンターテインメントを含めた5つの柱で成り立つ複合企業であり、その変化は2012年に平井一夫氏がCEOに就任以降、吉田憲一郎氏(現・会長)、現CEOの十時裕樹氏の3代にわたる構造・業態変化の末に築かれたものだ。

2025年・CESでのプレスカンファレンス
2025年・CESでのプレスカンファレンスでの十時CEO。エンタメとの関係を強くアピール(筆者撮影)
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