家電のソニーからエンタメのソニーへ。CESにソニー・ホンダモビリティが出展し、ソニーグループ・サムスンが「メイン会場を去る」背景
そうなると、CESという場で展示を行うにも、製品を並べておけばいい、という話ではなくなっていく。
一方で、ソニー・ホンダモビリティは2026年にアメリカで、同社のEV「AFEELA 1」の出荷を開始する。モノを見せてアピールするという意味では、これ以上ないくらい大切なタイミングだ。

だからソニーグループは、CESのブースをソニー・ホンダモビリティに渡し、ビジネス最適化を図ったのである。
サムスンもメイン会場から撤退。CESに見える「家電大手の悩み」
これを「日本家電メーカーの退潮」と語るのは簡単だ。
実のところ、CES会場に「家電」を並べる日本メーカーはほぼない。
パナソニックも主軸をB2B事業にシフトしている関係から、CESのブースはB2B関連が中心。テレビなどの家電は少数の展示に抑える。招待者向けのスイートを用意して、そちらに家電を展示する形だ。シャープも会場は技術を中心とした展示にとどまる。ハイセンスが東芝から買収したテレビ事業であるTVS REGZAは、ハイセンスブースの一部を間借りし、「日本のテレビ技術」としてTVS REGZAの技術をアピールする戦略をとっている。
アメリカ・ヨーロッパの家電メーカーは、日本メーカーより早く力を失った。大規模なブースは中国・韓国企業のものだが、いわゆる「家電ショー」「家電見本市」という言葉でイメージされる展示をしているのは中国メーカーだ。サムスンやLGエレクトロニクスは、家電を並べはするものの、それよりも、自社グループのポリシーや方向性のアピールが中心……という印象が強い。
実は、ソニーグループ同様、2026年のCESで、ある大手が、メイン会場であるラスベガス・コンベンションセンターを去る。
その大手とはサムスンだ。
同社はもう20年以上、CESで最大規模のブース展開を行ってきた。日本ではスマホを中心とした展開なのでピンと来ない人もいるかもしれないが、家電で世界最大手の一角を占め続けている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら