オムロン、期待の新事業を襲った誤算とは? まさかの下方修正、どう立て直すのか

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だが、前下期に最初の誤算は起きた。9月に九州電力が再生エネルギー発電設備に対する新規接続契約を一時的に保留した、いわゆる「九電ショック」を皮切りに、産業用を中心に太陽光発電市場が冷え込んだのだ。国内向けが主力だったオムロンはこの影響を正面から受け、パワコンの売上増加に急ブレーキがかかった。

期待の新事業であるパワーコンディショナ。どう立て直すのか

これを受けて、今年4月に発表された今期計画では、産業向けパワコンについてはそれほど楽観視していなかった。だが、蓄電システム向けなどで拡大が期待出来ること、中国スマホ向けのバックライトが好調を持続することから、事業全体では増益が可能という見方を示していた。

復活のカギはどこに?

だが、第2の誤算が追い打ちをかけた。原因は中国スマホ向けの伸びが止まったこと。バックライトも急ブレーキがかかったのだ。オムロンは4~6期時点では、「期ズレによるもので、下期には回復する」と楽観視していた。だが、中国景気の変調もあり、上期が終わっても回復の兆しは見えなかった。パワコンも需要低調が続き、今回の大幅下方修正につながった。

むろん、オムロンもただ手をこまねいている訳ではない。パワコンでは住宅用蓄電システムや太陽光発電モニターのラインナップを拡充することで住宅向けを強化。バックライトは低反射などの新機能を付与した新製品を出していく事で反転攻勢をかけていくという。

ただ、産業向けの収益性が低くなった今、パワコンメーカーだけでなく、太陽光業界全体が「住宅向け」や「システム販売」にシフトしており、競争激化は必至。バックライトについても、「従来の競争軸だった高精細、薄型以外にも、求められるものが増えていっている」(オムロン広報)と状況は複雑さを増している。オムロン期待の2事業は、難局を乗り越えて再び輝きを取り戻せるのか。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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